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博多っ子の朝食の定番・おきゅうと

博多の朝食で欠かせないものといえば、“おきゅうと”です。第2次世界大戦前までは、朝早く博多の町をおきゅうと売りが売り歩いたものです。その風景は今では見られなくなった風物詩として語り継がれています。それぐらい博多っ子にはなじみの深い食品です。原料はエゴノリという海藻。エゴノリを水洗いして天日で干したものを煮詰めてこし、木製の板の上に小判型に流し固めています。エゴノリはかつて博多湾でもとれていたのですが、現在はほとんど収穫されず、日本海沿岸産のものを使用しています。エゴノリのみでつくる場合と、エゴノリとイギスを使用してつくる場合などがあります。

ツルッとしていて、磯の香りに食欲がそそられる

おきゅうと第2次世界大戦後は、朝食のパターンがご飯からパン食に変わり、おきゅうとの需要も次第に減少しました。そのため、今ではおきゅうとを作る店も極わずかになっています。それでも細々ながら朝食には食べられていますが、ぜひ博多の郷土食として残していきたい食品でもあります。福岡市内で販売されているおきゅうとも店によって微妙に味が違います。食感は、ところてん(テングサという海藻から作られたもの)のようにツルッとしたのどごしですが、少しざらついていて、シンプルな味。磯の香りが漂ってきて食欲をそそります。私も福岡に住んで40年になりますが、おきゅうとはいつも和食の朝食に頂きたくなる一品です。

居酒屋メニューにも登場するノンカロリーの健康食

保存期間は冷蔵庫で一週間ぐらい。最近は居酒屋メニューとしてよく見かけるようです。また、福岡市内のホテルや割烹旅館では、朝食に登場すると聞いています。大手のデパートやスーパーマーケット、博多の台所といわれる柳橋連合市場でも購入でき、クラーボックスに保存すれば韓国へもお持ち帰りが可能です。すりおろした生姜、炒りゴマ、かつお節などをトッピングして醤油、酢醤油、酢味噌、からし酢味噌などで頂くのが日本流。もちろん、韓国のチョコチュジャンやムクを頂く時のヤンニョムジャンで召し上がっても、大変おいしいです。ノンカロリーの健康食ですので、韓国の方々にもお勧めの一品です。かつては持ち運びに便利で保存のきく乾燥品もあったのですが、最近は需要が落ちているのか製造されていないようです。生の方がずっとおいしいので、博多にいらしたら、おきゅうとをぜひ味わってみてください。

profile

西田圭子さん

1972年に韓国で開催されたインターナショナルワークキャンプに参加し、韓国の宮廷料理の奥深さに感銘を受ける。その後、福岡女学院短大・大学勤務の傍ら、休みを利用して韓国へ。1974年より韓国の食文化を本格的に研究。韓国料理研究家・趙重玉さんと、韓国重要無形文化財第38号“朝鮮王朝宮中飲食”第2代技能保有者”の故黄慧性さんに師事。現在は、第3代技能保有者・韓福麗さん(故黄慧性さんの長女)に師事。2006年、大学退職を機に、韓国宮廷料理研究家として、韓国の食文化や韓国料理を紹介。韓国観光公社福岡支社コリアプラザをはじめ、文化サークルなどで講師を務める。また講演会なども行っている。

 
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